6.節約しているつもりでお金をドブにすてていませんか?ー機会費用という考え方ー

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先日知り合いの30代の起業家と話した時のこと。

彼は地方で仕事をしているのですが、
法人向けのコンサルティングなので、
顧客と直接顔を合わせる機会が多いです。

クライアントは東京に多いので、
重要な打ち合わせがある度に地方から
新幹線or飛行機に乗って東京に上京してきます。
(家族が待っているので仕事が終わるとすぐに帰ります)

「打ち合わせがある度に上京するのは大変じゃないですか?
東京に住まないんですか? 持ち家じゃないですよね?」

と僕が訊くと、「住みたいです」とのこと。

「東京のほうがお客やパートナーと打ち合わせしやすいし、人脈も作りやすい。
セミナーなどにも気軽に参加できる。東京に憧れもある。
でも家賃が高いから悩んじゃうんですよねぇ、妻も物価が高いと反対するし」

と笑っておられました。

失礼ながら、この人は何を言っているんだろう・・・?
と少し不思議な気持ちになりました。

お金がもったいないから、できるだけお金が減らない方法を選択したい。
その気持ちはわかります。

しかし地方と東京の生活費の差なんて、
よほど人気のエリアに住もうとしなければ、
せいぜい月に5万円とかその程度でしょう。

彼は上京の度に交通費がかかっているので、
月に2万円くらいの出費が余計にかかっています。

彼が地方に住んでいることによる金銭的メリットは
せいぜい月3万とか、そんなものです(年間30〜40万?)。

彼のコンサルティングは1件成約する度に30万から、
多い時で50万円近い金額をいただきます。
(月に平均2〜3件成約)

ということは、彼が東京で生活することによって余分にかかるお金は、
年間でたった1件成約が増えればペイするということになります。

そして彼の話を聞く限り、東京に拠点を移して交流の機会を増やしたり、
打ち合わせの頻度を高めたり、セミナーなどでノウハウを学ぶ機会を増やしていけば、
少なくとも年間で数件は成約を増やせるはずです。

つまり彼は東京に拠点を移せば、
収入を少なくとも100万円以上増やすことができるのですが、
家賃や物価の高さを理由に地方にしがみつくことで、
本来得られるそのお金を失っています。

言い換えると、こういうことです。

「彼が憧れの都会生活や移動の不便を我慢し、
年間30〜40万の生活費を節約することによって、
年間数十万(数百万?)のペースで彼の口座からお金が消えていく」


また彼の奥さんも事務の仕事をしていて、
月20万円くらいの手取りはあるそうです。

でも彼としては、奥さんに仕事を辞めてもらい、
家事や自分の仕事のサポートをしてもらいたいそうです。
そうすれば彼はより仕事に集中できるようになり、
より多くの案件をこなすことができます。

でも、奥さんは仕事を辞めたくはないとのこと。

まあ女性だって働きたい人もいるでしょうから、
本人が働きたいのであれば働けばいいと思いますが、
奥さんは別に仕事が好きなわけではなく、
むしろ仕事とはただひたすらにつらいものだそうです。

奥さんの働きたいという意思は、もっぱら将来に対する不安や、
人間は働いて給料を得なければならないという義務感からくるものだそうです。

こうして奥さんは毎日朝からせっせと働きに行き、
その結果夫は家事や奥さんのケアに意識や時間を割かれ、
こなせる仕事の量=売上が減ります。

今回のケースの場合、夫の時給が高いので、

「奥さんが毎日辛いのを我慢して職場に行き、
心身にダメージを負いながらも一生懸命働いて、
月数万円〜数十万円のお金を捨ててくる」

という状態になっています。

お金を減らしたくないはずなのに、お金が減る選択をしてしまう。
これは機会費用というものに対する意識がとても希薄なためですね。

機会費用とは、選ばれなかった他の選択肢によって
本来得られたであろう価値や利益のことです。

家賃や物価、あるいは月々固定で入ってくるお給料などは、
明確に数字で表されているのでとても分かりやすいです。
いくら節約できたか、どれくらいお金が増えたかということがあっさり可視化されます。

しかし機会費用については、
実際はその選択肢を選んでいないわけなので、
明確に成果が通帳や家計簿に記載されず、
たとえ損をしたとしても実感が湧きにくいです。

こうして、目先の30万円を節約をするために年収を100万円減らす、
月給20万円を維持するために月30万円の収入を減らすといったような、
「お金を増やすつもりでお金をドブに捨てる」という矛盾した光景が出現するわけです。

例えば、以前書いたこちらの記事も機会費用の話ですね。

このケースでは、勤め先での仕事を頑張ってしまうことによって、
より大きな収入を見込めるビジネスで成果を出すスピードが遅くなり、
結果的にお金を損してしまうというような話でした。

今回の記事とあわせて読んでみてください。

似た事例として、僕の友人のともしんさんの話があります。

ともしんさんの奥さんは以前、
辛い家庭環境が原因で精神的な病気になってしまったのですが、
ともしんさんは彼女の病気を回復させるために、
アフィリエイトで稼いだお金のほとんどを高額なセラピーに投資したそうです。

保険がきかないので、1回あたり5万円や10万円かかりますが、
彼は別に失敗してもいいと思ったとのこと。
(当時彼は今ほど稼いでいません)

彼の論理はこう。

「セラピーによって病気が治り、妻が生きやすくなって、
夫婦で幸せな楽しい人生を送れるようになれば、
それには軽く数億円、いや、それ以上の価値がある。

仮に10回セラピーを受けて症状が改善せず、
100万円が失われたとしても、11回目で素敵な先生に出会えて、
病気が治ってくれれば、圧倒的な成功だ。
99回失敗して100回目でようやく回復したとしても余裕で黒字だ。

こんな費用対効果の高い投資はない。
治療費に100万とか安すぎる。
迷う意味がわからない」

結果、とあるセラピーが奥さんにてきめんに効き、
今は病気が治って夫婦で仲良く暮らしています。

こういう思考ができる人だから、
ともしんさんが今豊かで幸せなのは当然のことなのです。

もし彼が数万円の治療費をもったいないからといって節約していたら、
かわりに彼は”夫婦での幸せな楽しい人生”という、
途方もなく大きな価値を失っていたかもしれません。

目先の分かりやすいお金に飛びつく前に、
機会費用というものをじっくり検討すると、
より良い判断を下しやすくなるので、
習慣化することをお勧めします。

あとはもうひとつ、機会費用と合わせて知っておくべき概念として、
埋没費用(サンクコスト)というものがあるのですが、
そこまで説明すると長くなるので割愛します。

気になる人はぜひ検索してみてください。

PS.

前回も書きましたが、ここ一週間ほど農家向けサービスを
やっている友人が僕の家に滞在していました。

滞在最終日、友人は静岡で仕事をしてそのまま帰る予定らしく、
僕も暇だったので一緒に静岡までついていきました。

夕方、仕事を終えた彼と合流し、熱海へ。
6時頃には商店街はほとんど閉まっていて、
まるでゴーストタウンでした^^:

8

適当に入ったお店でもち豚しゃぶしゃぶ。
意外にうまかった。

5

熱海のレトロな温泉宿で一泊し、翌日は沼津へ。
目的は日本で唯一の深海魚水族館です。
深海魚丼を食べて腹ごしらえ。
微妙にグロい。

4

7

味は・・・悪くなかったけど、一度食べれば十分かな(笑)

深海魚水族館は気持ち悪い魚や可愛い魚がいっぱいいました。
それほど大きくはないので1〜2時間で回れます。

とげとげのカニ。

6

世界最大のダンゴ虫、ダイオウグソクムシ。

3

冷凍シーラカンス。
さすがに生きた個体はいませんでした。
でかい。

2

普通の水族館ではなかなか見られない魚がいるので、
一度くらい訪れてみると楽しめると思います。

友人はその後、新幹線に乗って帰って行きました。
僕も新幹線で東京に帰るので、先に彼を見送ったのですが、
ここでも機会費用を意識させられる出来事が・・・。

友人はまだ稼ぎ始めて日が浅いので、
金銭感覚はサラリーマン時代と変わっておらず、
お金を節約する習慣が身に染み付いています。

新幹線では基本的に指定席ではなく自由席のチケットを買います。
チケットの価格差はおよそ1000円。
岡山駅まで行くので、乗車時間はおよそ3時間です。

友人は体力がある方ではないので、
前日の仕事や移動、及び水族館などで疲労が蓄積したらしく、
かなりふらふらになっていました(荷物も非常に重い)。

それでも座れるだろうという希望的観測に従って
自由席チケットを買ったのですが、
いざやってきた新幹線の自由席はびっしりと満員。
すでにたくさんの人が席に座れず立っていました。

彼は「ぐへー」と言いながら、重い荷物を引きずって
絶望した顔で電車に乗り込んで行きました。

彼はあの疲れ果てた体で、
最悪3時間くらい立ちっぱなしで帰ることになるだろうと思いました。

その間は溜まった仕事をすることも、体を休めることもできません。

僕も昔経験しましたが、
新幹線で何時間も立ちっぱなしというのはかなりつらいです。

3時間、彼がつらいのを我慢して得られるお金はたったの1000円です。
(時給333円の棒立ちするお仕事)

すでに時給換算すればまず数千円はあるだろう彼にとって、
それはどうみても賢い選択には見えませんでした。

お金を減らしたくないなら、プラス1000円支払って確実に座席に座り、
その3時間を仕事にあてた方が、確実にお金の節約になります。
(少なくとも時給1000円以上の仕事はできるでしょう)

しかも棒立ちしなくていいので身体的にも圧倒的に楽です。
翌日以降の体調も変わってくるでしょう。

もちろん運良く自由席に座れれば、
座って仕事ができる上にチケット代も節約できてお得ですが、
その利益は最大でも1000円。

他方、座席に座れなれければ、数千円〜数万円の損失+3時間の苦痛。

冷静に考えたら、こんなギャンブルはやるべきではありません。
どう考えてもリスクとリターンが割に合いません。

お金を節約したいと言いながら、
わざわざ苦痛が多くお金も減る選択をして帰っていく彼を見て、
僕はちょっと複雑な気持ちになりました・・・。

PPS.

僕は近距離の移動は基本的にタクシーを使うし、
新幹線はだいたいグリーン車だし、食事はすべて外食するようにしています。

最近は部屋の掃除なども代行業者に依頼するようにしました。

買い物する時も、よほどの金額でない限り
「もっと安いものはないだろうか」と時間をかけて吟味したりしません。

嫌味に聞こえるかもしれませんが、
僕にとってはこのほうがお金の節約になるのです。

収入が一定のラインを超えてくると、
目先のお金を節約するより、時間や体力を節約したほうが、
結果的にお金が増える状態になっていきます。

時給2000円ある人が、自炊に1時間かけ、
働く時間がその分減ってしまうと、
仮に自炊することによって500円節約できたとしても、
収入が2000円減るので、1500円の損失です。

1日働けば1万円稼げる人が、
交通費を1000円節約して余分に体力を消耗し、
翌日疲れが残って仕事効率が半分になってしまうと、
節約できたお金1000円-減ってしまう収入5000円で、4000円の損失です。

収入が大きければ大きいほど、時間や体力を失うことによって
失われるお金がえげつない金額になっていきます。

とはいえ、僕も最初からこのような思考だったわけではありません。
僕も昔は機会費用についての意識が希薄でした。
もともと貧乏だったので、出費にかなり敏感だったのです。

アフィリエイトで稼ぎ始めてから、セミナーなどで東京にくる機会が増えましたが、
「ベッドで寝るだけで何千円も払うなんてもったいない!」と、
かたくなにホテルを利用せず、いつもネットカフェで宿泊していました。

新幹線は自由席が基本でしたし、
移動でタクシーを使うなんて思いもよらないことでした。

しかしあるメルマガで機会費用についての考え方を学び、
いかに自分が無駄の多い行動をしていたかを自覚させられました。

お金をケチって時間や体力を余分に消耗することが、
結果的に苦痛を増やし、幸福度を減らすだけでなく、
お金までも減らしているのだと気付きました。

500円を節約するために5000円の収入を減らす、
1万円を節約するために10万円の収入を減らすというような、
非合理な選択を無数にしている自分に気付きました。

僕は典型的な”節約しているつもりでお金をドブに捨てる人”だったのです。

それからは、心理的な抵抗を理性で抑えつけ、
できる限り機会費用を考慮した合理的な選択をするようにしました。

目先のお金を節約したり、増やそうとしたりする前に、
その結果失われるものに思いを馳せ、比較検討するようになりました。

今でもまだ完璧ではないと思いますが、
わりとナチュラルにそういう思考ができるようになったことで、
少なくとも成功のペースは加速させられたと思っています。

あなたも”節約しているつもりでお金をドブに捨てる人”になっていないかどうか、
ときどき振り返ってみてください。

PPPS.

タイムリーな記事を見つけたので追記。
ぜひ反面教師にしてください。

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